私たちについてAbout Us
Community Supported School Lunch
気候変動や感染症など、世界は予測もつかなかった変化を続けています。わたしたちが生きるための食を取り巻く環境も、常に不安定な状況にさらされています。耕作放棄地の増加や農家の担い手不足が叫ばれ、輸入食材への高い依存率が課題となっています。生産と消費は世界全体で分断され、誰がどこでつくってくれたのか分からないものを食べることが日常になりつつあります。
これからを生きる子どもたちには、自分の 〝食〟 を理解し、つくり、守れる力を身につけてほしい。自分にとっても、地球環境や地域社会にとっても、持続可能な食を選べるようになってほしい。土に触れ、食べるものを育て、つくる経験を重ね、日常の食を通して楽しみながら学べる環境を当たり前にしたい。
そんな思いから「学校食(Community Supported School Lunch)」を提唱します。「学校食」は子どもが集まる学校を舞台に、農体験・食育・給食に一貫性をもたせたプログラムとして、分断されがちな食の学びをつなげます。身体感覚を通じた日常的かつ継続的な学びは、大人になっても残り続けると考えています。
体験を通した「実感」が人をつくっていく
日々の食事に目を向けると、多くの関係性の中で私たちもまた生かされていることに気づきます。
分業化された暮らしの中では、ものごとや資源の循環、つながりを見聞きしたり、「実感」したりする機会は多くありません。だからといってスローガンのような暗誦しやすい言葉だけが子どもたちの行動目標にならないように、と思っています。
種まきから収穫までの農産物の成長。調理して体に摂り入れ、排泄するまでの体の働き。自然の循環や生き物も含めれば、「食環境」は壮大な探究テーマになり得ます。
食農教育は、実生活とつながる学びです。
体験を通して自分なりの「見方」を獲得し、社会や自然との関係を見つけた子どもたちは、学ぶことが意味をもつと実感し、「学び続ける力」を培っていくのではないでしょうか。
食農体験やつくり手との出会いが、子どもたちの人生を楽しくおいしく自分らしく照らしていく、その手がかりの一つになることを願っています。
わたしたち大人も、食べることを通して、今いる場所を元気にしていくような食のあり方をともに探究し、その姿を子どもたちに見せていきましょう。