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「野生動物との共存」を体感した神領小学校3年生の大豆の種まきとネット張り
神領小学校の3年生が6月に植えた大豆が順調に育っているか様子を見にいくと、なんと食べられてしまっていました! この辺りでたまに見られるノウサギが食べたとのこと。10cmほどの茎を残し、葉っぱを跡形もなく完食。そんな残念なお知らせから、今回の授業はスタート。「僕たちよりも先にノウサギが食べたのか〜」と子どもたち。
食べられちゃ困る!ネットを張ってノウサギから大豆を守る
そこで、大豆をもう一度播きなおし、ネットを張ってノウサギ対策をすることにしました。
今日のファームティーチャーは杉山と、神山町鬼籠野地区を中心にOrononoという屋号で農業をしている松本直也さん。神領小学校の隣で野菜を生産している西川幸宏さんもお手伝いしてくださいました。西川さんは神領小学校の卒業生でもあります。
松本さんが持ってきたネットを見た子どもたちは「ノウサギを捕まえる用の網?」と質問。
「これはノウサギだけじゃなくて、虫からも大豆を守ってくれるネットです。今日はこれをみんなで張って、大豆が食べられないようにします」。
大豆の播きなおしができたら、ネットを張るための支柱を土に差していきます。これが意外と難しく「硬くてささらない!」と子どもたち。土が柔らかくなっているポイントを探し、グッと垂直に刺していきます。
ここからネットを張っていきます。土に柱を立てて、そこに網の端をくくりつけ、向かい側の柱まで網を被せる。これを畝3本分仕上げます。
ハンマーで柱を打ち付ける作業が人気で「やらせてやらせて!」と交代でハンマーで打ち付ける子どもたち。分担しながらみんなで同じ目的を達成することも学びの一つです。また、網をかける時も「先生やらないで!自分でやらせて!」と前向きに作業をする姿が見られました。
植えただけでは育たない、幅広い畑の仕事を体感
畝に網が被せられたところで前半が終了。「はぁ〜、疲れたね、もう終わり?」という子どもたちに「いやいや、今からが本番です」と松本さん。
ここから、網の隙間からウサギが入らないように隙間を土で埋めていきます。重い土をせっせと運ぶのは思いの外ハードな作業!炎天下だったこともあり、子どもたちもお疲れの様子。
手が止まりがちでしたが、太陽が陰ると「太陽チャンス!」と叫んで少し涼しいうちに一斉にスピードアップしながら着々と土を被せていきました。自然の中で生きる知恵の一つです。
たくさん汗をかきながらようやく土をかぶせる作業が完了。これで動物や虫からの食害は防げそう。
「今日はみんなお疲れ様でした。たまに様子を見にきて、もしまた食べられたら一緒に対策を考えましょう」と松本さん。
大豆を食べられてしまったのは悔しい思い出となりましたが、ただ植えただけでは育つとは限らない、自然の厳しさについて触れる機会となったノウサギによる食害。私たちが普段食べている野菜は、動物や虫の対策など、様々な形で手をかけられて育てられていることを学びました。種まきや水やりは畑の仕事のほんの一部で、今まで目に見えていなかった幅広い仕事のうちの一つを経験することができました。
髙木晴香(文・写真)