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活動日誌Monthly News

現場のプロ直伝!給食と同じレシピでカレーを作った広野小×城西高校神山校レトルトカレープロジェクトVol.2

レトルトの給食カレーを自分たちの手でつくることを目標に、6月から広野小学校5・6年生と協働でプロジェクトをスタートしました。まちの食農教育は、プロジェクトの企画・調整役を担っています。

このプロジェクトでは、全5回の授業でカレーづくりから販売まで目指します。前回は、阿南市にある「タカラ食品株式会社」代表取締役の折野幹人さんからレトルト食品とは何かを学びました。今回は、実際にカレーを作ってみます!

当たり前に食べている「給食」の舞台裏

7月12日(金)に、2回目のレトルトカレープロジェクトの授業をしました。まずは、実際に給食のカレーがどうやって作られているのか、栄養教諭の植田美月先生からレクチャー。

給食作りは大きく分けて「下処理」「調理」「配食」の3つの工程に分けられ、それぞれの工程で衛生的に、効率的に、そしておいしくつくるために押さえるべきポイントがあります。詳しく見ていきましょう。

学校給食の管理や子どもたちへの栄養指導を行っている植田先生

まず、下処理では材料の下ごしらえをします。業者さんから食材を受け取り、専用の容器に移し替え、そのうち50gを2週間、冷凍保存します。これは万が一、食中毒があった時に原因を突き止めるためにされている決まりです。見えないところで行われていた自分たちの健康を守るためのルールに子どもたちは「おぉ〜」と感心する様子。

お肉に下味をつけた後に、野菜の皮剥きをします。じゃがいもは機械で皮を剥き、取りきれなかった部分は手作業で皮を取り除きます。「効率的〜」と呟く声が聞こえてきました。その後、野菜は洗浄シンクを3回通り、「調理室」に送られて調理されます。

神山町では野菜は調理員さんが料理によって切り方を変えて手作業で野菜を切ってくれています。これもおいしさの秘密。

その後、大きな釜にお肉、野菜、水、ルゥ、蒸したジャガイモ、グリンピースの順番に入れ、ヘラで焦げないように「のの字」に混ぜます。大釜で混ぜている様子を植田先生が動画で撮影してきてくださいました。

このタイミングで、脱脂粉乳とすりおろしりんごを投入します。初めて知る隠し味になんだか嬉しそうな子どもたち。

最後は配食。決められた量をクラスごとの食缶に入れられ、ようやく私たちのもとに給食が届けられています。

同じ材料で作っても味が違う?みんなでカレー作りにトライ

 給食作りの現場を学んだ後は、同じレシピでカレー作りにチャレンジ! 前回食べたレトルトカレーの試作に対する「味が薄い」「水っぽい」というコメントをふまえて、高校生組は給食センターにヒアリングに出向き、調理スタッフのアドバイスをもとにレシピを改良。試作で溶けて小さくなったジャガイモは、事前に蒸して荷崩れを防いでいるという現場の知恵も学び、今回のレトルトカレー作りにも反映させました。

学校の給食ならではの工夫が凝らされたカレー作りに、子どもたちもさっそく挑戦! まずは野菜を切っていきます。「家でのお手伝いが報われるわ〜」と自慢げに野菜を切っていく子ども。大きさを揃えるために高校生組がアドバイスしながら進めていきます。

前回に引き続き、城西高校神山校の淺野絢美さん、土井あかりさんがサポート
高校生組が持ってきてくれたレシピ。ポイントやイラストつきで分かりやすい!

今回は2チームに分かれて30人分のカレーを作る
ルーは2種類をブレンド
水っぽくなるのを防ぐために、野菜の煮汁でルゥを溶かしてから入れることに

調理を進めていくにつれ、全く同じ材料とレシピで作っているのに両者に明らかな違いが。「あれ、僕たちの方が水っぽいな〜」。火を強めたり「脱脂粉乳入れてないからかな?」など、なぜ違うのかを探りながら進めます。煮込み続けると「こっちもおいしそうになってきた!」とホッとした様子。

混ぜている人に、「のの字でお願いしますよ〜」と、学びを実践

 みんなで協力して1時間で無事完成!両チームとも見た目はおいしそうにできていましたが、食べてみると味が全然違いました。片方はまろやかで給食らしさがある一方で、もう片方は大人っぽい本格派なお味に。同じレシピでも微妙なタイミングの違いで味が変わるという予想外の結果となりました。

完成したカレーはしっかりととろみがついておいしそう!
どんな味であれ、みんなで作ったカレーを食べる瞬間は嬉しそう

食べ終わったあとは、城西高校の村瀬教頭が「今日はみんなで作りながらおしゃべりしながらする調理実習でしたが、次は商品開発のプロ、つまり製造実習として衛生にも気をつけながら作ってみてください」とアドバイス。

次でプロジェクトも折り返し。次回は販売に向けてパッケージを考えます!

髙木晴香(文・写真)

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この記事を書いた人:まちの食農教育 編集部

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