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活動日誌Monthly News

給食カレーの再現度を高めた広野小×城西高校神山校レトルトカレープロジェクトVol.4

 神山校2年生の生徒と広野小学校5・6年生との協働で、レトルトの給食カレーの販売を目標に6月からプロジェクトをスタートしました。私たちまちの食農教育は、プロジェクトの企画・調整役を担っています。

 このプロジェクトでは、全5回の授業でカレーづくりから販売まで目指します。前回は、パッケージのデザインを考えました。今回はいよいよカレーを作ります!

鍋の上ではおしゃべり厳禁! 緊張感のある家庭科室

 2回目に作った試作カレーの味を思い出すところからスタート。授業のあと、レトルトパックになって子どもたちのもとに届けられ、子どもたちは家庭にてサンプルを試食してきました。味の感想を聞くと「味とか口当たりは完璧だったけど、辛さが足りなかった」と率直なコメントが。

 このままでも売れそうか尋ねてみると「うーん。具の大きさも硬さもバラバラだったかも」とまだ納得いかない様子。加えて、学校給食センターの調理スタッフからも「前回よりは良くなっているけれど、味が薄い」とコメントがあったことも共有しました。まだまだ改善の余地がありそうです。

 それらの反省をふまえ、この日は高校生たちが改良案を持ってきました。今回は、肉を大きめに切ったり、煮込む時間を長くしたりすることで、具材の存在感を感じながら味と辛さも感じられるように調整します。

模造紙に書いてポイントをまとめた高校生。今回も城西高校神山校の淺野絢美さん、土井あかりさんが先導。

 今回は、前回の調理実習とは異なる「製造実習」。味だけではなく、衛生管理にも気を配ります。そこで、まずは製造実習スタイルに着替えました。

 衛生的に作るためのポイントを高校生が確認。「髪の毛は帽子の中から出さないでね。カレーの中に髪の毛が入らないようにするためです。今回は手袋もつけます。この手袋が青いのは、もし包丁とかで切って入ってもすぐにわかるようにするためです」と説明。安全な食べ物を作るための仕組みを学びました。

もし髪の毛が調理中に出そうになったら鍋から離れて直すことや、調理中に鍋の上ではおしゃべりしないことも確認。

 準備が整ったら早速調理に取り掛かります。「おー!」とみんなで気合いを入れました!

 調理の工程は前回と同じ。慣れた様子で分担して進めます。いつもは和気藹々とした雰囲気が印象的な5・6年生も、この日は真剣そのもの! いつもとは違う緊張感が漂います。「玉ねぎ落とさないように気をつけて!」という声が聞こえてくるなど、いつもとは違う食材への責任感も伝わってきました。

 また、混ぜるときには「前の授業でのの字って混ぜるって言ってなかった?」と声をかけるなど、学んだことを生かそうとする姿勢が見られました。

アクをとる様子。
みんながカレー鍋に注目する間に洗い物をする子もいて、自然と役割分担が生まれていた。

おいしく完成!次回はいよいよ販売

 前回同様、煮込む工程に入ってから「まだシャバシャバしているな」と、水っぽくなることが懸念されましたが、煮込む時間を長くする工夫によってとろみもしっかりでました。煮込む時間の長さが肝だったようです。

とろみがついて、給食のカレーらしくなってきた。見た目もおいしそう!

 予定時間通りにカレーの製造は完了! 試食すると、ほどよく辛さも感じられてとろみもばっちり。あとはレトルトパックに詰められてもこの味が維持されていたら完璧です。

「うん!おいしい!」とホッとする小学生と高校生たち。
この日は徳島新聞の取材も受けた。自分たちの言葉でカレー作りへの意気込みを語る。

 今回の出来栄えに対して子どもたちも「前回よりも味に深みが出た気がする」「辛くなってる!」と手応えを感じている様子。

 「最後まで売り切ろう!」と先生からもエールが。自分たちで作ったカレーをお客さんに届けるまでがこのプロジェクトのゴール。次回は実際に販売します!

髙木晴香(文・写真)

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この記事を書いた人:まちの食農教育 編集部

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