ページの先頭へ

活動日誌Monthly News

【ご案内】School Food Forum2023 —地域でつなぐ農と食—

(10/8追記)9月から告知を始めた「School Food Forum 2023 -地域でつなぐ農と食-」ですが、おかげさまで現地参加枠が定員に達し、10月6日時点でオンライン参加(見逃し配信あり)の受付のみとなりました。遠方の方も、当日ご都合がつかない方もお申し込みいただけます。関心のある方、ぜひご参加ください。

オンライン参加のお申し込みはこちらから

神山町で第1回目の食農フォーラムを開催します

農業従事者の高齢化、耕作放棄地の増加、自給率の低迷や安全性の問題など、農と食を取り巻く課題は山積しています。子どもたちのために、そして地球環境のために、私たちはどのようにして持続可能な日常の食をつくっていけるでしょうか。

「食育」という言葉が学校現場で使われるようになり、20年近くが経とうとしています。その間、栄養教諭という新しい職が生まれ、学校給食の充実が図られてきました。しかしながら、いまもなお多くの学校現場では「食」の背景にあるつながりを感じにくい状況にあります。学校の食(School Food)を見直し、土に触れる体験から食べ物を口に運ぶ日常までを連続性のあるものにしていくことが、つながりを取り戻すヒントになるのではないか。

そのような仮説のもと、様々な場所で行われている多様なアプローチをまるっとテーブルに乗せ、ともに味わい、これからの農と食の在り方を考える。そんな2日間の場を徳島県の山あいにある神山町で開きたいと思います。

第1回となる本フォーラムのテーマは「地域でつなぐ農と食」としました。五感を使って学ぶ地域ぐるみの農体験や、給食と教科学習の連携、地域食材に重きを置く調達システムなど、各地で行われている実践事例を取り扱います。授業や給食をより良くしたいと考えている方、農や食に関する活動・研究をされている方、持続可能な食の在り方に関心のある方、ぜひお越しください。

※ 16日の午後のプログラムの会場は「農村環境改善センター」に変更となりました。

フォーラム概要

日時
2023年10月15日(日)13:00 〜 10月16日(月)17:30

会場
10月15日(日) 神山町農村環境改善センター
10月16日(月) 午前:神山まるごと高専 OFFICE 午後:神山町農村環境改善センター
 ※ 両日ともオンライン配信あり(一部コンテンツを除く)

プログラム詳細 ※登壇者名敬称略

DAY1


10月15日(日)
 13:00〜13:30 オープニング
 13:30〜14:30 基調講演「生命誌から考える食農教育」中村桂子(JT生命誌研究館 名誉館長)

中村桂子さんは、科学者として「自然の一部としての人間」との視点から、子どもたちが生きることの本質を学ぶ機会として農業に継続的に触れることの重要性を発信されています。実際に小学校に農業科を取り入れた福島県喜多方市は、中村桂子さんの「小学校にこそ農業を必修に」というコラムがきっかけで農業科の導入に至ったそうです。中村さんは今もなお、人間の食べ物をつくる基幹産業である農業こそ小学校教育で大切にしなければならないという思いをもち続けておられます。現状や起こりうる未来を見据えて、これからのわたしたちの在り方や地域で子どもたちを育んでいく態度、農業教育の必要性など、未来を生きる子どもたちや子どもにかかわる大人に向けてメッセージをいただきます。

 14:50〜16:10 クロストーク① 地域ぐるみの食農教育「すべての学校をつなぐ農体験と給食」
   話題提供:樋口明日香(NPOまちの食農教育 代表理事)
        武市由美(神領小学校 教諭)寺奥久滋(広野小学校 教諭)松本直也(Oronono)
   モデレーター:須賀智子(Crops-Food × ESD Design 代表)

2016年から実施してきた神山町内の小学校における食農教育。神領小学校と広野小学校の先生方から、それぞれの学校や学年で取り組んで来られた活動を紹介いただきます。農体験プログラムに協力いただいている松本直也さんからは、農家目線での気づきやプログラムを通した子どもたちへのをお聞きできればと思います。後半は、NPOとして〝おいしい〟に能動的に関わることができる 体験や機会をどのようにつくっていけると良いのか、ESD(Education for Sustainable Development)の研究もされている須賀智子さんと共に考えたいと思います。

 16:10〜17:00 ポスターセッション

森の学校みっけ / 城西高校神山校 / 神山まるごと高専
NPO法人こどもと農がつながる給食だんだん /  より発表いただきます。

 17:00〜18:20 クロストーク② 給食と教科学習の統合「栄養教諭とつくるおいしい・たのしい授業」
   話題提供:望月佐知(横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校 栄養教諭)
   コメンテーター:堂脇義音(農林水産省 消費者行政・食育課 課長補佐)
   モデレーター:樋口明日香(NPOまちの食農教育 代表理事)

横浜国立大学教育学部附属鎌倉小学校の食育の取り組みを、栄養教諭の望月佐知さんから紹介いただきます。給食と授業をつなぎ、さらには地域へと広がっていく「食」の学び。研究校であるからこその半歩先の実践の様子や、食の学びを進める背景にある望月さんご自身の考えや思いもお聞きできればと思っています。コメンテーターは、2022年4月から9月まで神山町で暮らしながらNPOに関わり(当時は文化庁所属)、現在は農水省で食育を担当する堂脇義音さんです。

 18:40〜21:00 ディナー交流会 @かま屋

農家から届く旬の食材を使った、かま屋料理人によるディナーブッフェ。今回のフォーラムに参加された方々と食事を囲みながら楽しいひとときを過ごしましょう。

DAY2

10月16日(月) @神山まるごと高専OFFICE
 9:00〜10:20 クロストーク③ 地産地食を実現する調達システム
 「スクールフード・コーディネーターと推進する学校食 〜神山まるごと高専を事例に〜」

   話題提供:田原佳奈(株式会社フードハブ・プロジェクト 管理栄養士)
        細井恵子(株式会社モノサス 料理人)松坂孝紀(神山まるごと高専 事務局長)
   モデレーター:安東迪子(NPOまちの食農教育 理事・事務局長)

「地産地食日本一」を目指す神山まるごと高専の食事づくりについて、高専スタッフ、料理人、スクールフードコーディネーターとともにこの半年間を振り返ります。「産食率」を高める調達の工夫や、おいしいメニューづくりのポイント、それらを支える食堂とまるごと高専の連携体制など、半年間で見えてきたことをお伝えしながら今後の構想についてもお話しできればと思います。モデレーターは、まるごと食堂の立ち上げに関わり、中の様子も知っている安東です。

 10:20〜13:30 フィールドワーク&ランチ(選択制)@各場所へ

農・食の取り組みをしている現地を訪問、関係者らとランチ
   A)オルタナティブスクール 森の学校みっけ
   B)徳島県立城西高等学校神山校
   C)有機農家の圃場見学と神山まるごと高専

NEW!!
13:30〜13:50
エディブル・スクールヤード創始者アリス・ウォータース氏よりスピーチ @農村環境改善センター
  事前解説:堀口博子(一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン 創設者 代表)
  通訳:小野寺愛(『スローフード宣言』訳者)

クロストーク④に登壇いただく小野寺愛さん、堀口博子さんとつながりの深いアリス・ウォータースさんにお越しいただけることになりました。今、アリスさんの大きな関心ごとの一つが「学校給食の地産地消化」だそうです。

『スローフード宣言〜食べることは生きること』の出版1周年を記念して来日するアリスに、「日本で楽しみにしていること、やりたいことはある?」と聞くと、場所でも食事でもなく、「変わりたいと考えている、学校の校長先生に会いたい」と言いました。「話すことで力になれるとしたら、とても嬉しいから」と。
予約の取れないレストラン「シェ・パニース」のオーナーシェフとして有名なアリスですが、彼女の人生後半のライフワークは、子どもたちの食を変えること、そうすることで地域を豊かにする、生かしあう経済を作ることなのだと理解しています。
アリスの言葉を受け、今回のツアーでは、日本各地で「地域を豊かにする給食」と「生かしあう経済」の先進事例を巡ることにしました。
出典:「アリス・ウォータースが語る『すべての子どもたちに、身体と地域を豊かにする給食を』」小野寺愛 https://note.com/aionodera/n/n9199b2182157

13:50〜15:10 クロストーク④ 地域で広がる学びと遊びの可能性「コミュニティが育まれていく体験のつくりかた」
   話題提供:小野寺愛(一般社団法人そっか 共同代表)
        堀口博子(一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン 創設者 代表)
   モデレーター:江崎礼子(株式会社ソノリテ 代表取締役)

神奈川県逗子で「わたしたちのこどもたち」を合言葉に、豊かな景色が広がる「海のエディブル教育」を実践されている小野寺愛さん。保育園の年長児が生地やお出汁を自分たちでゼロからつくり、メンマづくりは竹林保全に関わるところから。最後に自分たちで養殖したワカメをトッピング…!! というのが「そっか」の子どもたちがつくる「ラーメン屋さん」。子どもたちのいる豊かな日常の風景を、まちの大人やコミュニティ、企業がどう関わり育てているのか、お話を伺います。小野寺愛さんは、アリス・ウォータースさん『WE ARE WHAT WE EAT』の訳者でもあります。今回はアリス来日ツアーの一環として神山町にアリスさんとともにお越しいただきます。
もうお一方は、Edible Schoolyard JAPAN創設者の堀口博子さん。当時日本にはなかった『食育菜園』という言葉を編み、多摩市立愛和小学校でエディブル授業を続けていらっしゃいます。昨年からは、都心の屋上菜園で小学生向けの自然学校「アーススコーレ」を設立。大地へのゲートとなる場所を都心におき、周辺の小学校とも連携を進めています。都心部における、食を真ん中においた子どもたち・学校・企業のつながりについて伺います。
モデレーターは、長年NPOの設立支援に携わっていらっしゃる江崎礼子さんです。

 NEW!!
 15:30〜16:50 クロストーク⑤農業と食とコミュニティ「給食の地産地食化のその先へ」
  話題提供:石田篤(株式会社ビオ・マーケット 執行役員)
       白桃薫(株式会社フードハブ・プロジェクト 共同代表) 
  モデレーター:大元鈴子(鳥取大学地域学部 准教授)

関西や東京の自治体へ学校給食食材を納品されている株式会社ビオ・マーケットさん。石田篤さんは、会社で勤めながらご自身も農を大切にした暮らしを実践されている方。複数の自治体や保育園への納入業者としての関わりから、給食を通して実現できる未来の農や食のあり方、調達の仕組みについて、具体的なお話を伺います。同じく神山町で給食の調達に携わる白桃薫さん(フードハブ・プロジェクト)とのクロストーク。農業と食をつなぐ流通の仕組みについて、聞く側のわたしたちにとっても新たな視点が得られると良いなと思っています。聞き手は、『ローカル認証 地域が創る流通の仕組み』の著者でもある大元鈴子さん(鳥取大学 准教授)です。

 16:50〜17:30 クロージングセッション

参加費
▶︎ 現地参加
  2日間通し 7,000円
  2日間通し・交流会付 12,000円
  DAY1 3,000円
  DAY1・交流会付 8,000円
  DAY2 4,500円
※ 2日間通しチケットおよびDAY2チケットにはフィールドワーク先での昼食代が含まれます。

▶︎ オンライン
  2日間通し 3,500円
  DAY1 2,000円
  DAY2 2,000円
※ ポスターセッション・交流会・フィールドワークの配信はありません。
※ 見逃し配信も視聴いただけます。

▶︎ 神山町内にお住まいの方
  無料・申込不要(ディナー交流会・フィールドワーク&ランチ除く)

申し込み方法
こちらのページよりお申し込みください。

申し込み締め切り
 現地参加  10月6日(金)まで
 オンライン 10月14日(土)まで

開催主体
主催:NPO法人まちの食農教育
後援:神山町教育委員会、神山つなぐ公社、農林水産省
助成:日本財団


(参考記事)
・「神山まるごと高専」5年間全寮制の学生たちの給食に密着!
・町で育てたものを町で食べる。農と食で地域循環をめざす、徳島県「神山町」の取り組み

カテゴリー
School Food Forum 2023イベント

この記事を書いた人:まちの食農教育 編集部

体験を通して身近な自然や社会を学ぶ、まちぐるみの食農プログラムの様子をお届けします。イベントのレポートやお知らせなども発信中!