2024年10月10日、神領小学校1年生と冬野菜の種まきをしました。ファームティーチャーは、神山町鬼籠野地区を中心にOrononoという屋号で農業をしている松本直也さん、松本絵美さんご夫婦です。ちなみに、1年生はこの日が畑デビュー！　初めて訪れた土の上ではどんな学びがあったのでしょうか。

野菜によって違う種の形。丸いのと細長いのがある！

　「おはようございます！」と元気な挨拶とともに登場した1年生。樋口が自己紹介をしたあとに、まずは挨拶がてら、3年生が育てているジャガイモを観察してみます。

　空気がほぐれてきたところで今日のファームティーチャーの松本さんをご紹介。「野菜の名人の松本さんです」。

　「今日植える野菜は何かみんな覚えてますか？」と聞くと「かぶ！」「レタス！小松菜！」「春菊！」と、みんなしっかり覚えていました。特に、かぶについては、国語で『おおきなかぶ』を読み、楽しみにしてくれていた様子。

　さっそく、かぶから植えていきました。松本さんから、かぶの種を見せてもらいます。「なんか米粒みたい」と、小さな種をみて呟く子ども。

　松本さんがお手本を見せてくれます。「ビニールに穴が空いてるよね。これからこの穴に種を播いていきます。1つの穴に播くのは3粒。1粒だけだと、芽が出なかったり、虫に食べられたりするかもしれないからです。3粒なら、どれかダメだったとしても、どれかはちゃんと育つからね」と複数播く理由も解説。

　それを聞いた子どもたちは1粒ずつ「1、2、3」と数えながらそーっと種を落とします。その後「種のお布団をかけよう」とやさしく土をかぶせました。

　今回は大きなかぶに加え、小さなかぶも植えます。ここで松本さんからクイズ！　「大きなかぶと、小さなかぶ、種の大きさはどう違うでしょうか？」。子どもたちは考えます。「太い！」「大きい」「一緒！」といろんな予想が返ってきました。

　正解は「同じ」。大人からすると、当たり前のように感じられるかもしれませんが、クイズにされると「どうなんだろう？」と想像が膨らみます。このような小さな問いの数々が、子どもたちの学びのきっかけになっています。

子どもたちのいろんな顔を引き出す畑の不思議な力

　次はレタスの苗を植えました。レタスは種ではなく苗を準備しました。

　途中、一人の男の子から「石が笑ったいっしっし〜」とオリジナルソングが聞こえてきました。何度も歌うので笑いながら聞いていると、担任の田村先生が「畑でテンション上がってるみたいです」と教えてくれました。子どもと先生の教室での関係も垣間見えて、楽しいひととき。

　最後に播いたのは、春菊と小松菜。春菊の種は、細長い三角形のような形。種と言われると丸をイメージするかもしれませんが、野菜によってさまざま。小松菜はかぶと同じく丸い種。同じ葉物でも種の形が違います。

　「ところでみんな、今日植えた野菜は食べたことあるの？」と樋口から質問。レタスや小松菜は食べたことがある子が多かったですが、かぶや春菊はまだ食べたことがない子もいました。収穫して食べるときが楽しみです。

　「あれ？何個植えたっけ？」「どこに植えたか見失った！」と少し迷うシーンも見られましたが、どの子も落とさずにしっかり植えることができました！　数ミリ程度の小さな種を植えるのは意外と集中力のいる作業です。

　種を植えたあとは、3年生が植えた野菜を「この野菜はなんでしょう？」とクイズをしながら見学しました。

　最後の感想タイムでは「楽しかった！」と子どもたちは口々に話しました。また、これから野菜のネットを張ってくれる松本さんたちに対して「お願いします」と大きな声でお礼を言ってお開きになりました。

　初めての畑、初めての種まき。初めての収穫の彼らの反応を見るのが待ち遠しいです。