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教科書と畑をつなぐ味噌づくり|広野小学校3年生

2月18日、広野小学校3年生と味噌づくりを行いました。
今年、3年生は、3種類の枝豆と3種類の大豆の栽培にチャレンジしていると聞きました。
枝豆は、茶豆、黒大豆、そして一般的な緑色の枝豆。大豆の品種は「シュウレイ」「スズマル」「フクユタカ」。子どもたちに尋ねると、すぐに大豆の品種名を教えてくれました(品種名で答えられるなんて、大豆と仲良くなっているのが伝わってきます)。
国語の時間には、説明文「すがたをかえる大豆」を学んでおり、
今回の味噌づくりは教科書の中のことばと、畑で育てた大豆がつながる時間でもあります。
味噌づくりに先立ち、栄養教諭の先生からは大豆にまつわるお話を。
担任の久保先生は、味噌づくり当日も、節分でおなじみの炒り豆や千田豆腐店の神山豆腐(子どもたちにも馴染みのある地元の豆腐屋さんのもの)を見せてくださり、大豆がさまざまな食品へと姿を変えることを、改めて目で確かめました。
当日は保護者の方にもお手伝いいただき、
4つの圧力鍋で大豆をやわらかく煮上げ、味噌づくりの時間を迎えました。
味噌づくりの材料
大豆(フクユタカ)1,400g|白米麹(マユコベ自然農園) 2,000g|海塩(高知県産)600g
※ 収穫状況が良くなく、今年は既製品の大豆を使用しました。
ここからは、味噌づくりの様子を写真とともに紹介します。
まずは、麹と塩を均一になるように、パラパラと混ぜました。これが、「塩切り麹」です。

次に、柔らかく煮た大豆を、つぶします。

つぶした大豆と塩切り麹を、混ぜます。

丸めます。


そして、樽に投げ入れます。
投げて、空気を抜くのがポイントです。

何個か樽の外にはみ出しましたが、無事に樽の中におさまりました。
こうして、〝すがたをかえる大豆〟は、教科書の中だけでなく、目の前で、手の中で、進んでいきます。
今年も、味噌づくりのキッチンティーチャーは織田智佳さん。味噌づくりのほか、梅干しづくりでも学習をサポートされています。


手前味噌の歌をみんなで歌い、保護者による「手前みそ」レクチャー(コント?)を披露。
さらに、現在の6年生が3年生のときに仕込んだ3年熟成の手前味噌も見せてもらいました。

時間をかけて育つ味噌。
学年を超えて受け継がれていく手仕事。
味噌から広がる、豊かな学びを享受する時間となりました。
学校(先生と子どもたち)、栄養教諭、地域の作り手、保護者、NPO。
いくつもの顔が重なり合って、ひと樽の味噌が仕込まれました。
「味噌びらき」の日が、今から楽しみです。

大豆を種から育てた経験。その喜びと、茹でた大豆のぬくもりやつぶした感覚で、一杯の味わいが深まるといいなと思います。3年生で仕込んだお味噌が、麹(こうじ)の力を借りておいしくなる間に4年生になり、さらに熟成したお味噌は5年生の家庭科でのお味噌汁作りに使われます。
長い時間軸でつながっていく子どもたちの学びを、地域の一員として、保護者としてもこれからも応援していきたいです。おいしいお味噌にな〜れ! (織田 智佳)
後日談。
振り返りの時間をとるため教室に伺いました。ちょうど豆腐づくりをしたところだったとのこと。一口、お味見させてもらいました(もちろん、おいしい…)。
実は、子どもたちはもやしづくりや納豆づくりにも取り組んでいます。
6種類の大豆を育て「すがたをかえる」様子を実体験の中で学んできました。
きっと、これから食卓に登場する大豆製品を見るたび、「これ、あの大豆だ」と思い出す瞬間があるのではないでしょうか。
そんなふうに、食べものへの親しみが少しずつ育っていく。
今回の経験も、その一つになっていることと思います。
味噌づくりに使った麹(こうじ)は、徳島市の自然農園マユコベさんの白米麹。
マユコベさんで育てた「神力」という品種のお米を使い、香川県観音寺市室本地区にある入江こうじ製造所で作られた麹です。
入江こうじ製造所は、室町時代末期に麹の製造と販売の特権を認められていた地区にあり、約500年にわたり手仕込みを続けているそうです。現在も木のもろぶた(麹蓋)を使い、手の感覚を大切に仕込まれています。
今回の味噌は、マユコベ自然農園のまーやん・ゆっこさんの手と、麹職人さんの手、キッチンティーチャー織田さん、そして子どもたちの「手」のコラボレーション。
また、麹について学ぶ時間があれば、身近な世界がうんと広がっていきそうです。
photo: 植田 彰弘