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変化を感じる経験に|2026年6月

昨年度は、限られた授業の中で児童とどんなことを学び合えるのか考えた1年でした。その振り返りを噛み締めたいと思いながら過ぎ去っていく日々。気がつけば、新学期が始まり、先生方、児童らとの出会いや別れを経て早3ヶ月が過ぎようとしています。
その間、各小学校では「作付け会議」が行われ、ワクワクとドキドキ(これは毎年抱く感情なんだろう)が入り混じったいい緊張感のもと、どんな野菜を育てようか考えています。
僕が抱く「ドキドキ」の感情には不安なことも含まれます。
毎年、異常気象(酷暑や多雨)がキッズガーデンや学習田の作物に大きな影響を与え始めているからです。学校の授業で「種や苗を植えたら野菜が絶対できる!」という先入観を与えたくありません。児童は心躍り、楽しい気持ちを隠しきれないほど高揚し、田畑に出向いてくれます。その前向きな姿勢を大切に受け止めて、野菜と向き合う時間を共有してきました。
しかしながら、近年の気候変動や異常気象で「今までの当たり前」が通用しないことも事実です。
こと、神山町でも東西の地域が異なれば、気温や日照時間も違います。作付けのルールも集落によって異なってくるケースが見受けられてきました。「水をあげてたら野菜は育つ」その当たり前が通用しない今を児童や先生とどのように共有できるのか。これも食農教育の大切な学びであるはずです。
昨年でいえば、大豆の栽培が当てはまりました。
従来、1kg近く収穫できてた大豆栽培が、100粒にも満たない収穫となり、児童らも期待に反して、残念そうな表情が今でも脳裏に焼き付いてます。
農業的な視点で考察すれば、異常高温による開花不良や水分不足、連作障害の可能性、カメムシ等による虫害などが考えられます。これをどう児童らに伝え、大豆が実らなかった「理由」を学ぶ機会に変えられるかがポイントです。
収穫できたら成功、できなかったら失敗ではありません。葉っぱが茂り、花がたくさんついても実が入らなかったのは何故か。
目の前に広がる大豆を五感の全てで体感する。鞘に小さな穴が空いていること、実がスカスカなこと、本来落葉する葉っぱが落葉しないことなど、一人一人の身体を通して、学べることが沢山あると思います。道具や器具の進歩により、人の手から離れてさまざまな物事が分業化されている今、肌で触れる五感をはたらかせて学んでいくフィールドとして、経験から得る学びを大切にしていきたいです。
作物を見る目は決して農家だけが養う力だけではありません。
保育所から高校生まで、食農プログラムを経験する子供たちが小さな目線で野菜や土地の変化を見る目が増えてくると、地域に起こる環境の変化を敏感に感じ取り、対策に講じる力が養われるはずです。
一人ひとりの力こそ、地域の農業を守るべく大きな力に変化していくことだと願うばかりです。